足し算や掛け算でキャリアを考える  〜私がコーチになるまでのこと〜

 

 

 

自分に合った仕事を考えたい、

人生の第2のキャリアを考えたい、

といったテーマで

時々コーチングの依頼をいただくことがあります。

 

そんな時、

人は自分の中のリソースの一つだけを考えがちだな、

と思います。

 

というか、

自身のリソースを客観的に眺めて、

違うもの同士を繋げるということが

自分だけではそう簡単にできない、

ということかもしれません。

 

かくいう私も、その一人でした。

 

今回は、そんな私がどのように今に至ったのか、

書いてみたいと思います。

 

今、次のキャリアを考え悩む誰かの役に立てば幸いです。

 

 

 

 

 

編集者としてのスタート

 

私は大学を卒業後、

小さな専門誌の編集者としてキャリアをスタートしました。

その仕事の中で、専門誌の1記事から生まれた

書籍の編集も経験しました。

 

その後、結婚し、出産することとなって退職し、

フリーランスとなりました。

(というか、当時は今のように産休を取って復帰、

という仕組みが、まだそんなに整っていませんでしたから、

そうならざるを得ない感じでした・・・)

 

そして、

以前の勤め先から仕事をいただいたりしたほか、

英語教育関係の雑誌や大学の紀要、

NPOのパンフレットなどをはじめ、

自己啓発系の書籍やビジネス書などなど、

様々な分野、様々な媒体の編集に携わりました。

 

「え? 今フリーなの? じゃあ、この仕事やってくれない?」

と、一つの仕事が終わるとまた次、と、

タイミングよく周囲の方々が仕事をくださったので、

おかげさまで、4人の子育てをしている時も

細々と仕事を続けることができ、

社会とつながっている感も持ってこられたと思います。

多くのご縁に恵まれてきたことに

今更ながらとても感謝しています。

 

 

 

コーチングとの出会い

 

3番目の子供が中学生の頃、

コーチングに出会いました。

ちょうどその子のことで、いろいろ心配していた時期でもありましたし、

自分自身、キャリアと家庭とのことを考えて

悩んでいたりもしました。

 

そんな中、

『コーチングマネジメント』(伊藤守著)という本を読んだ時、

はっきりとは言えないけれど、

それまで私が探し求めていた答えがここにある、と直感し、

コーチングを学ぶプログラムに申し込んだのです。

 

当初、コーチングは「知りたい・学びたい」ものであり、

自分が仕事にしようという思いはありませんでした。

でも、学びを深めるうちにその面白さ、奥深さにハマり、

仕事にしてみたい、という思いがだんだん強くなりました。

 

正直、資格を取ったからといっても、

そんな時点ですぐに食べていけるほどの仕事にできる人は、

ほぼほぼいない世界です。

 

それでも段々と、編集ではなく、コーチングをメインの仕事にしたい、

と思うようになりました。

 

 

 

編集者かコーチか、それが問題だ

 

そして、ずっと迷っていました。

編集者か、コーチか。

 

編集は好きだけれど、どうしても一人でやることの多い作業となりますし、

人に触れるのは限定的で間接的、という感覚があります。

その点、コーチングはダイレクトに人に向き合うし、

その仕事や学びの中では多種多様の人と出会えると感じました。

 

う〜ん、どうしよう・・・

 

今思えば、

私は、ストレングスファインダー®︎で言う「包含」「成長促進」

といった資質も高く、

「みんなでやる」こと、「誰かの成長に寄与する」ことが

喜びでもあるのです。

そのため、それを満たせるであろうコーチングに惹かれたのだと思います。

 

一方で、ストレングスファインダー®︎で言う

「戦略性」「内省」「着想」なども高く、

「構造的に考える」「本質を掴みたい」「様々なアイディアが湧いてくる」

というその特質は、編集という仕事の中で

思い切り活かせていたと思います。

 

ですから、編集もコーチングもどちらも好きだし

どちらも自分の価値を満たしているものでした。

 

だから迷う・・・

 

 

 

そうだ、両方やろう!

 

 

そしてある時、

「そうだ! 両方やればいい!!」

と気づきました。

 

今となっては「気づく」というより、

「そうするのが自然じゃない?」とも思うのですが、

当時はAかBか、という2択の思考に陥っていたのです。

 

今は、「副業」という考え方が浸透し、

それを認める企業も増えてきましたが、

以前は副業という言葉さえ聞くこともなく、

一度就いた仕事は生涯続けるのが良いことだし当たり前

とされていた時代でもありました。

 

また、夫からは

「あなたは何がやりたいの?」

「あれもこれもやらず、一つに決めたら?」

と言われていたことも

大きなプレッシャーとなっていました。

 

 

そして、両方やるということに“気づい”て、

あるコーチングの学びの場で

「“ライティング・コーチ”になろうと思う」と言った時、

すぐ隣にいたコーチの方が、

クライアントとして名乗り出てくださいました。

 

 

ずっと赤で止まっていた人生の道路の信号機が

パッと青に変わったような感じでした。

 

 

 

人生の編集者

 

それから、気づけば10余年。

“ライティング・コーチ”として何冊もの書籍を

クライアントさんとともに生み出しつつ、

“ライフ・コーチ”として、

そして“ストレングス・コーチ”として、

多くのクライアントの方々と

ご縁を持たせていただきました。

 

この間、肩書きを何と名づけようか、名乗ろうかと

迷いながら来ています。

そんな中、台湾で、史上最年少の35歳で

デジタル担当の閣僚として入閣した

オードリー・タンさんが

「スラッシュ ワーカー(slash worker)」「スラッシー(slashie)」

という造語を語り、

これからの働き方を示唆したことは、

私にとっては、まさに膝を打つようなことでした。

 

*「登山家/写真家」「作家/会社経営者」のように幾つもの仕事を同時にやっていることを
「/」(スラッシュ)を使って表すことから、幾つもの肩書きを持つ人のこと。

 

 

ともあれ、肩書きが何であれ、今思うのは、

私自身は、多くの方の「人生の編集者」でもあるのかも、

ということです。

 

編集という作業は、ゼロから何かを生み出すのではなく

すでにある素材を並べ替えたり切り貼りしたりしながら、

素材の持つ力、魅力、味わい・・・そんなものを相乗的に高め、

読み手にとってのみならず、書き手にとっても

その作品が魅力的で価値ある大事なものとして

伝わりやすく橋渡しする仕事ではないかと思います。

 

以前は、その仕事の対象が、

その人の生み出した「文章」というものでしたが、

今は、それだけでなく、

クライアントさんの人生そのものを、

聴くこと、対話することを通して再構築、

つまり編集していると言えるのかもしれないなあ、と

感じています。

 

編集すること、

つまり、コーチングの対話を通して

クライアントの中では、バラバラだと感じていたものが

一つのストーリーにつながることで、

自分が大切にしてきた「価値」がわかったり、

これまでは辛く価値が感じられないと思っていた体験が、

リソースフルなものとして輝き始めたり、

自分にしかない世界唯一の体験から得たことが、

自分の強みだとわかったり・・・

ということが起きます。

 

すでに起きてしまった事実は何も変わらないけれど、

捉え方を変え、新たに紡ぎ直すことで

同じ人生が別のものに見えてきたりするのです。

 

そして、

自分自身を認め、愛することができるようになったり、

やがて他者をも認め、ゆるし、

愛することができるようになったりもする。

 

コーチは、そんな変化の触媒となれるものかもしれない、

と思います。

 

そう思うと、私自身のキャリアも

「編集する」というキーワードのもとに、

一つのものにつながります。

 

 

足しますか? 掛けますか?

 

そんなわけで、

たとえば定年退職を目前にして今後の人生を考えるとき、

本当はこんなことがしたいけど、きっと無理、と諦めたり、

自分が会社でやってきたことは、そこでしか使えない、

と諦めたりするのではなく、

まずは足し算でスラッシュ・ワーカーを目指してみたり、

掛け算で、これまでの実績とやりたいこととを融合させて

新たな仕事を生み出してみたりする、

ということを考えてみてはどうかな、と思います。

 

一人ではどうもアイディアが湧かない、

その気にならない、という人も、

たとえば、

見えないものの中につながりを見出すことができる

「運命思考」や、

違ったものに関連性を見出して、新たなものを生み出す

アイディアが湧いてくる「着想」

といった強みを持つコーチと

話してみるのもおすすめです。

 

 

 

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